ここから本文エリア 福島東急インが閉館 跡地には再びホテルが入る見通し2010年9月1日
福島市の中心街で、旅行客やビジネスマンに利用されてきたホテル「福島東急イン」が31日、閉館した。近くに安価なビジネスホテルが増えるのに伴い、利用者数は年々減少。ここ数年は赤字営業が続いていたため、入居していた商業ビルとの賃貸契約の満了に伴い、31年間の歴史に幕を閉じた。 最終日は、全118室のうち47室が埋まった。31日午前10時20分、最後にチェックアウトした宿泊客を見送り、閉館した。「長年使ってきたから寂しいね」「別のホテルに移っても頑張って」。こんな声が、閉館を知った客から従業員にかけられたという。 その後、約30人の従業員が集まって閉館セレモニー代わりの昼食会。午後2時ごろから片付けに取りかかった。 1979年10月、旧長崎屋(現AXC)の8〜12階で営業を開始した。JR福島駅から徒歩5分という市の中心街にあり、飲食店やビジネス街、官公庁へのアクセスが良いことから、旅行客やビジネスマンらに利用されてきた。運営していた東急ホテルズ(東京都)によると、2002年には稼働率が81%と、経営も好調だった。 雲行きが怪しくなったのは、福島駅周辺に全国チェーンのビジネスホテルが相次いで建った06年ごろ。シングルが正規料金で7600円からの東急インに比べ、設備が新しく宿泊料金も安い後発のホテルに客が流れ、収益が悪化。最近5年間の平均稼働率は64%で、06年以降は赤字経営が続いていたという。 ビル所有会社との賃貸契約が満了となる8月末以降、設備を改修して営業を続けるか、それとも閉館させるか、同社が検討を重ねていたが、今年3月、「改修資金の回収が困難」と判断し、閉館を決めた。 総支配人の長北啓和さんは「片付けていると、出てくるものも思い出もいっぱいありすぎて。残念ですね」と、額に汗を浮かべて感慨深げに語った。館内の片付けは今月中旬ごろに完了するという。 空になったスペースは、再びホテルとしてオープンする見通しだ。ビルの所有会社から管理業務を任されているAXCビル事務所は「再オープンに向けて、現在ホテル会社との交渉中。できるだけ間を置かずにオープンさせたい」としている。(村上晃一)
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