ここから本文エリア 八丁堀の銀幕、11月に復活 福屋8階に計215席2010年9月3日
広島市中区の八丁堀地区に11月25日、映画館「八丁座」がオープンする。繁華街から映画館が次々と消えていくのに心を痛めた映画館主、蔵本順子さん(59)の発案に、広島出身の映画美術監督、部谷(へや)京子さんらが全面協力した。2日、記者会見した蔵本さんと部谷さんは「日本一、世界一の劇場にしたい」と意気込んだ。 2スクリーンを備える八丁座は、2008年4月まで松竹東洋座(342席)と広島名画座(150席)があった福屋八丁堀本店の8階にできる。最大の特長は幅80センチ、奥行き87センチのテーブルが付いた座席。佐伯区の家具メーカー、マルニ木工の職人の手作りで、席数は計215程度とゆったり観賞できる。 「八丁座」の名には、「江戸時代の芝居小屋に集まった民衆の熱気をよみがえらせたい」と夢見る蔵本さんの思いがこもる。父が興した映画館の跡を継いだ2代目で、現在は中区で4館を営む。 ただ、郊外のシネマコンプレックス(複合映画館)が隆盛を誇る一方、近年は市内中心部で映画館の閉館が続いた。「人々を励ませる映画館を広島の真ん中につくりたい」。部谷さんと意気投合し、構想が動き出した。福屋も「街のにぎわいにつながる」と跡地の貸し出しを快諾してくれた。 映画美術の第一人者の部谷さんだが、映画館づくりにかかわるのは初めて。映画人の息吹が感じられる館にしたいと、この夏は蔵本さんと一緒に京都・太秦の撮影所を見学した。「私たちが楽しんでつくらなきゃ、お客さんに楽しんでもらえない。ぎりぎりまで粘ります」と会見で熱弁をふるった部谷さんは、「世界一の映画館になると思う」と感極まって声を詰まらせた。 総工費2億円はすべて借金。「採算も考えず、代表者として失格かも」と苦笑する蔵本さんだが、「お客さんに足を運んでもらい、可愛がってもらえれば成功。結果を見て頂ければ」と力を込めた。 一般公開は11月26日から。部谷さんの呼びかけで昨年始まった短編映画の国際映画祭「ダマー映画祭inヒロシマ」(11月26〜28日)が、事実上のこけら落としになる。(加戸靖史)
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