ここから本文エリア 土浦の里山保全、認定NPOに 「地元へ収益めざす」2010年9月2日
土浦市宍塚の里山保全に取り組んでいる「宍塚の自然と歴史の会」がこのほど、「認定NPO法人」の資格を取得した。同会に個人が2千円以上を寄付する場合、同額が所得控除されるなど優遇措置があるため、活動の幅が大きく広がるとの期待がある。認定NPOは県内で3番目だが、自然環境分野では初めて。 1989年に発足した同会が保全に取り組むのは宍塚の大池を中心とした雑木林や草原、田んぼなどの里山約100ヘクタール。理事長の及川ひろみさん(67)は東京都出身。約30年前に茨城に越してきて、宍塚の里山と出会った。大型開発が急速に進み、身近な自然が姿を消しつつあったころ。「宍塚には多様な自然が残っていた。開発されてからでは遅いと思った」 5人ほどの自然観察会から始め、約30人で同会を結成。2004年にNPO法人となり、現在は約600人の会員がいる。大池の水を抜いての外来魚駆除、林の下草刈り、市民とともに耕さずに米を作る「田んぼ塾」、大豆の無農薬栽培などを手がけてきた。 重視しているのは地元住民との交流だ。納豆、みそ、豆腐作りでは農家の台所を借りて農家から教わって作り方を習得。田植えの豊作を祈る行事「さなぶり」や「お月見」など、農家の生活文化の保全・伝承にも力を入れてきた。 活動が評価され05年には農水省の「田園自然再生活動コンクール」で朝日新聞社賞、7月は日本河川協会の「日本水大賞」の大賞を受賞している。 国税庁から認定NPO法人の資格を取得したのは7月6日。税制上の優遇措置により、個人や法人が寄付しやすくなることから、活動のすそ野も広がる。会員は土浦とつくばが中心だが、活動に共鳴した会員が沖縄から北海道にまでいる。 認定を機に「多様な人が参加してくることが予想され、その人たちの力を借りてさらに活力に満ちた会をめざしたい」と及川さんは意気込む。 課題は地元へのメリットをどう創出するか。及川さんは「竹林の伐採やタケノコ出荷を通じて、何らかの収益が地元に落ちるようにしたい。地元との信頼関係を醸成しながら保全活動に全力を投入したい」と話している。(長田寿夫)
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