ここから本文エリア 現在位置:asahi.com> マイタウン> 神奈川> 記事 「学校暑すぎ」保護者、エアコン要望 添えぬ金欠横浜市2010年9月8日
記録的な暑さとなった今年の夏。9月になっても猛暑は収まらず、学校現場でも対策に頭を悩ませる。川崎市など全国の公立学校でもエアコンを導入する自治体が増え始めたが、横浜市は財政難もあって導入の予定はない。保護者から設置要望が相次ぎ、市議会でも議論になりそうだ。 「教室は蒸し風呂状態。エアコンを設置して」 そんな保護者の声が、491校の公立小中学校を抱える横浜市教育委員会に相次いでいる。設置要望は毎年夏の恒例だが、今年は8月末からすでに十数件が届いたという。 491校のうちエアコンを設置しているのは、騒音がひどくて窓を開けられない学校など7校のみ。ほかは原則エアコンはなく、校内でエアコンがあるのは校長室や職員室、保健室、パソコンルームぐらい。騒音対策のため音楽室も段階的に整備を進めているという。 市教委が2005年にした試算によると、全校にエアコンを設けた場合の費用は273億円。1校当たり5千万円程度という。市教委は07、08年度に約1億円で小中の普通教室に扇風機を設置したばかり。教育施設課は「学校数が多いため費用もかかり、これまで具体的に設置を検討したことはなかった」という。 同じ横浜市立でも金沢高校では6月に全教室にエアコンを設置した。保護者会がリース会社と10年計画を結び、生徒1人あたり年間5千円を負担する形をとった。同校によると、夏休みの補習授業も生徒が集中して勉強できたと好評だったという。 一方、隣の川崎市は昨年度までに、公立小中164校のうち155校にエアコンを設置した。残る9校も改修工事などが終わった後に設置する方針だ。2学期制導入で8月下旬から授業が始まる▽夏の気温が上昇している▽児童生徒が空調生活に慣れている、などを導入理由にあげる。 東京都でも23区を中心に半数以上の小中学校の普通教室に冷房が導入されている。 こうした状況に、横浜市議会の複数会派から「エアコンなしでは限界」「快適な教育環境が必要だ」などの声が出ている。 市教委は「これだけ猛暑が続くと、財政が厳しいからと全否定はできない。少なくとも費用など導入の課題を調査したい。エアコン以外の工夫、対策についても考えていきたい」と頭を悩ませる。 ■「緑のカーテン」頼みの綱 横浜市内の学校や保育園では各地で、暑さ対策として区役所が協力し、植物を使った「緑のカーテン」づくりが進められている。 緑のカーテンを栽培して5年目になる南区の市立日枝小学校。各教室の前にネットを張り、ヘチマやアサガオ、ハヤトウリ、ツルレイシ、フウセンカズラ、フジの6種類を栽培している。 毎年、児童と職員が協力して水をやり、成長を見守ってきた。育てたウリを給食に出すこともあるという。ただ、今年は猛暑が続き、成長はいま一つ。昨年は8月には屋上まで葉が茂っていたハヤトウリも、今年は9月になってようやく屋上に到達した。コンクリートに触れた部分は枯れて茶色くなってしまった。 遠藤久美子校長は「すごい猛暑だが、緑のカーテンがなければもっと教室の温度が上がっていただろう。植物を育てる楽しみを体験できるなど教育上の効果も大きい」と話している。 南区によると、区内17校の市立小学校のうち、耐震工事で栽培できない1校を除く16校で緑のカーテンを実施している。緑のカーテンは壁の表面温度を約10度、ガラス窓の温度を約4度、室温も最大で1.4度ほど下げる効果が証明されているという。(佐藤善一、福宮智代)
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