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介護・大けが…苦労吹き飛ぶ楽しさ 東京マラソン

2011年2月28日

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20km地点付近で声援を送る仲間に気付き、笑顔を見せる長谷川弘さん=千代田区内幸町

 国内最大の市民マラソン、東京マラソンが27日開催され、約3万6千人のランナーが首都を駆け抜けた。スタート時の気温11度。午後にはゴール地点で20度に達し、汗ばむ陽気に。「ひとに勇気を与えたい」「再就職を目指して頑張る」――。参加者は声援が送られる中、それぞれの思いを胸に、ゴールを目指した。

 東京マラソン財団によると、出場者数はフルマラソン3万3353人、10キロの部3096人で計3万6449人だった。このうち、完走したのは、フルマラソン3万2416人(完走率97.2%)、10キロの部3089人(同99.8%)。沿道では153万人が声援を送った。出場者のうち8人が病院に搬送されたが、いずれも大きなけがなどではなかったという。

 今大会から新設されたチャリティー制度で集まった寄付金は、計7184万5千円に上った。このうち10万円以上の寄付者に与えられるチャリティーランナー枠では694人が出場し、675人が完走した。寄付金は難病患者や海外の難民キャンプの支援に使われるほか、今月発生したニュージーランド地震の被災者救援にも100万円が贈られる。

     ◇

 「こんなに楽しいマラソンは初めて」。今回新設された「チャリティーランナー枠」で走った目黒区の長谷川弘さん(74)は、手術した左ひざを気にしながらも、笑顔でゴールした。

 マラソン165回目。誘われて参加した1989年のホノルルマラソンを皮切りに、米国や仏国など約30カ国を走り、全て完走した。ふだんはラーメン店を経営しながら、認知症の妻富子さん(87)と2人で暮らす。

 08年11月、別のマラソン大会のゼッケンを受け取りに行く途中、道に迷ってオートバイで分離帯に乗り上げ、自損事故を起こした。左ひざに大けがを負い、「完治はムリ」と医者に言われたが、手術しないまま09年4月のボストンマラソンを完走。その後ひざの手術をした。

 東京マラソンは2回目。今回、難病の子どもや家族の支援などのために初めて設けられた「チャリティーランナー枠」の趣旨に賛同し、申し込んだ。「『要介護2』の妻と暮らし、毎日食事や身の回りの世話をしていると、病気で苦しむひとやその家族の気持ちが分かる。支援に役立てて欲しい」と長谷川さん。

 沿道では長谷川さんのスポーツクラブ仲間らと一緒に、長谷川さんの会社に勤める孫の田中喬子さん(27)も応援に駆けつけた。田中さんは「介護の苦労やけがを乗り越えて元気に走る姿はかっこいい。これからも応援したい」と祖父にエールを送った。(平嶋崇史、岡雄一郎)

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