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16歳、いつか世界で輝く カヌースラローム・都田選手

2010年9月1日

写真

ゲートへ向けてカヌーを操る都田輝夏さん=境港市

 この夏、世界に挑戦した女子高生がいる。米子東高校1年の都田輝夏(てるか)さん(16)=境港市=だ。激流の川を下るカヌースラローム競技のカヤック部門でフランスのジュニア世界選手権に出場。世界との力の差を感じながらも、夢の五輪出場を目指して名前通りの「輝く夏」を過ごした。

 午後6時、境港市の中海干拓地との境を通る用水路に1人乗りカヌーをこぎ出す。重さ約9キロの艇は直進性がなく、素人が乗ってパドルでこいでも、その場でコマのようにクルクル回るだけだ。そんな艇を真っすぐ進めるため、腹筋から足の先までしっかりと踏ん張り意識を集中する。「1日乗らないと、次に乗った時には体が動かない」

 用水路では母桂子さん(45)が弓浜南橋の欄干やガードレールにロープを張り、競技の「ゲート」となる赤白や緑白に塗り分けた木の棒を準備する。水面では何が起きるかわからないため、桂子さんが監視役として見守る。

 水面でウオーミングアップを終えると、川面近くまで下げたゲートを基点に艇をジグザグに進めたり、回転したり。約1時間、水と艇を相手に格闘するともうグッタリ。バランスを支え続けた足にしびれがきている。仕上げに、艇を一こぎで一気に進める「ダッシュ」を10本続けた。

 カヌースラロームは、激流に設けられた約20本のゲートの指示に従いながら、いかに速いタイムで下るかを競い合う。ゲートに接触するとタイムにペナルティーが加算され、指示通りにコースを通過できないと致命的なペナルティーが待つ。

 父で境港市職員の祐道さん(45)は現役のカヌー選手、桂子さんも一時は大会に出場していた「カヌー一家」に育った。そのため、物心ついたころから出かける先は競技会場の川。カヌーには自然と親しみ、「気づいたら乗っていた」。小学1年で1人乗りカヌーをこぎ出し、各地の大会への参戦は小学6年の秋に始めた。

 川の流れに負けて艇を制御しきれず、岩場に衝突することは「よくある」。艇が転覆することもしょっちゅうだ。それほど危険な競技が、さすがに以前は「怖くて仕方なかった」。だが、転覆状態の艇に乗ったまま水面に起きあがる「ロール」を中学1年で習得すると、「怖さがなくなり、波を使いこなす楽しさがわいてきた」。

 中学2年で初めてジュニア日本代表に。年齢制限にかかり本戦出場は逃したが、この時に技術が飛躍的に伸び、「あっという間に父親は逆転されました」と桂子さん。

 初めて出場したジュニア世界選手権の結果は、参加62選手中58位。日本から出場した男女8人のいずれも予選を突破できなかった。「世界のジュニアのレベルはシニアに追いつくくらい上がっていた」。世界のスピードを目の当たりにし、水をかく力強さの違いを痛感。悔しさがこみ上げた。

 「いい経験をした。常にパドルを水深くに刺して一かきを強くし、一発で遠くまで進めるようにしたい」

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