ここから本文エリア 高校野球山口大会開幕 昨年決勝の再現は再び華陵が勝利2010年7月18日
今年も夏が始まった――。高校野球山口大会が17日、4球場で開幕した。昨年の決勝の再現カードは白熱した点の取り合いになり、初参加の新鋭校は一時リードを奪う奮闘を見せた。青空を切り裂く本塁打も4本生まれた。18日も4球場で1回戦9試合がある。 (華陵8―6岩国商) 華陵は岡村が攻守にわたり活躍した。3回2死一、二塁で同点に追いつく右前適時打を放つと、4回には右翼に3点本塁打。投手岡田のピンチにはマウンドに駆け寄り、すがる岩国商を振り切った。岩国商は1点差に迫りながら8、9回とフライに打ち取られ及ばなかった。 ■大黒柱、辛抱の先に充実感 岩国商・塚田投手 5回を越え、左腕がけいれんし始めた。8回、治療でベンチに2度引き上げた。それでも、また当たり前のようにマウンドに戻る。139球を投げきった岩国商エースの塚田洸大君(3年)は、苦痛を一度も顔に出さなかった。 最速140キロを投げ、打っても4番。「途中でマウンドを降りるわけには」。痛みが激しくなった6回以降、4安打を許しながら最少失点で抑えた。大黒柱の辛抱強さは、チームの象徴でもあった。 昨夏準優勝の栄誉を継いだチームは、結果という芽の出ない時期を越えてきた。昨秋の県大会予選で延長12回の末に紙一重のアピールプレーで勝利を逃し、春は相手を3安打に抑えながらも1―3で初戦敗退した。「謙虚になってすべてを受け入れろ」。妥協を許さなかった上寺和浩監督もこう認める。「どんなときも前向きにやってきた代」 夏の大会を想定し、練習試合で連戦を組んだ6月は無敗。そして昨夏決勝で敗れた華陵との再戦が決まる。上り調子のチームの誇りを、塚田君はこの日、ダイヤモンドの真ん中で守り続けた。 自らの適時二塁打で先制した後の3回、2失策が絡んで逆転を許す。味方の胸をつついて励まし、時には笑みを浮かべながら、黙々と投げた。6回、ムードが変わった。2年生の連打のあと、平田健人君(3年)の2点本塁打。「背中で引っぱってくれた塚田を援護したかった」。試合後、平田君はチームの思いを代弁し、目を赤くした。 甲子園に行きます――。昨夏の決勝後のロッカールームで、先輩たちと約束を交わして1年。「山あり谷ありだったけれど、すべて出し切れた」。描いた結末ではなくても、辛抱の先には充実感があった。(箕田拓太)
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