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脱毛の悩み解消に励む2009年09月13日
■がんと闘う人をサポートする美容師 髪は「女性の命」という。乳がん治療の副作用で髪が抜け、かつらを着けたお年寄りが今年3月、直方市で経営する美容院「髪屋 樂空(ら・くう)」を訪れ、こう訴えた。「かつらから地毛が出てしまう。かつらを着けてもおかしくないように切って欲しい」 「がんと闘う人を、美容師としてサポートできないだろうか」。一度決めたら、突き進む性格。5月には、乳がんについて啓発するピンクリボン運動を進めるNPO法人「J・POSH」(大阪市)の個人サポーターになった。抗がん剤の副作用で脱毛に悩む女性客の相談に乗り、育毛やトリートメント、かつらの面倒まで見る。 今後は、受付に募金箱を置いてサポーターとして実績を上げるとともに、活動の周知を図りたい考えだ。「抗がん剤の副作用だから仕方がない、と思わないで相談して欲しい」と呼びかける。 美容師を志したのは、高校2年生の時。親族がやっている美容院が繁盛しているのを見て、「美容師ならもうかるかも」と思ったから。 最初に勤めた美容院では、店長や先輩の指示に従うという社会人の「枠」に息苦しさを感じた。「いつか自分が指図する立場になってやろう」と燃えた。毎日開店前の午前6時から1時間、定休日の月曜日には6時間、1人でこっそり店に行き、人形の髪の毛を切った。 22歳のとき、英国の著名なヴィダルサスーン美容教室で修行した。半年間、経験を積んで帰国すると、多くの美容院から声がかかった。結局、直方市の知り合いの店へ。2年で固定客は100人を超えた。そして、「九州でも有数」と評判の北九州市の美容院に移った。 ただ、固定客のうち4、5人は高齢のため、市外へ離れてしまった福島さんの店には通えなかった。「自分を頼りにしてくれているのに」と残念だった。それで定休日のたびに自宅まで出向き、髪を切った。知り合いの輪が広がり、出張先は15人くらいまで増えた。 みんなから「福ちゃん」と呼ばれ、お茶やご飯をごちそうしてくれた。お年寄りの役に立っていると思うと気持ちが良かった。また支えてもらっている気もした。 店を開店したのは04年。「経営だけでも大変。慈善活動なんて」と心配する声もあったが、「出張美容院」をやめる気はまったくなく、むしろサービスは定休日以外にも拡大した。店が持てるようになるまで、自分を支えてくれた人たちへの恩返しだから。夢は、車内でカットだけでなくパーマもできる移動美容院による日本縦断。もちろんボランティアだ。 「髪の毛を通じて、暗い気持ちを明るくするのが、ぼくの仕事ですから」
マイタウン福岡・北九州
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