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会津ニュース◇よろい武者待つ

かやぶき再生の息吹

2009年05月11日

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かやぶき集落の助っ人に立ち上がった藤木良明さん=南会津町水引

 かやぶき屋根が並ぶ美しい景観が存続の危機にある南会津町の水引集落が、都市からの助っ人の手を借り、息を吹き返そうとしている。愛知産業大大学院の特任教授で1級建築士の藤木良明さん(67)埼玉県在住が、NPO法人を立ち上げて地元の人と保全に乗り出した。1日から屋根の修復作業が始まり、今月下旬からは本格的なふき替えに入る。(足立朋子)

 ●都市から修復応援団ツアー企画も

 過疎化や高齢化で、かやぶき屋根を支えてきた集落内の互助が衰退する中、支援の輪を広げて景観や集落を守ろうという試み。藤木さんは「日本の高度成長は農山村の人たちの都市への移入で支えられた一方、農山村側の疲弊を招いてしまった。今こそ団塊世代など都市からの応援を結集し、懐かしい原風景を次世代に託したい」と話す。

 南会津町の南部・旧舘岩村の水引集落には、南北に走る町道沿いに7軒のかやぶき屋根の民家が残る。厩(うまや)が一つ屋根の下にある雪国独特の「曲家」で、約120年前の大火で全戸が焼失した際、越後大工を呼んで再建した。民家としては珍しく80年代までは13軒が残り、町も保存地区に指定して財政支援するなど全国的にも注目されてきた。

 だが05年度、町村合併でかやぶき屋根への補助が縮小され、同集落は打ち切りに。その後、空き家が大雪で倒壊したり、ふき替えに何百万円もかかるかやぶき屋根をやめたりする家が相次いだ。現存する7軒のうち2軒も修理ができず、雨漏りする部分をビニールシートで覆っている。

 そんな集落を、著書執筆のため近くのペンションを訪れていた藤木さんが見かねた。まず、長年使われずに荒れた「かや場」のかや刈りを住民と共に07年秋から始め、昨年11月にNPO法人「山村集落再生塾」を設立。住民も保存会をつくり、今月から職人を呼んで新しいかやに替える「差しがや」が始まった。NPOの賛同者は30人ほどになり、今秋には町の補助を受けて都市部からのかや刈りツアーも企画している。

 「本当にありがたい。とても自分たちだけでは維持できねえもの」と、今回差しがやをした湯田弥助さん(75)。自宅の庭には職人に食事をふるまう住民の輪ができた。

 NPOは今後、地元のかやぶき職人の育成なども手がけ、もう一度、行政の支援を受けられるよう機運を高めたい考えだ。「それまでの間、何とかこの奇跡的に残った景観を持ちこたえさせたい」と藤木さん。賛同するNPO会員を募集している。問い合わせは山村集落再生塾(info@sansonjuku.org)へ。

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