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昔なつかしつきたての味 「展勝地もち」2009年03月12日
「ぺったん、ぺったん」。桜並木で知られる北上市立展勝地公園のレストハウスでは、臼と杵(きね)を使った昔懐かしいもちつきの光景を見ることが出来る。もちつきは一日2回。正午のもちつきには、大勢の観光客が取り囲んで歓声をあげる。 材料は北上産のもち米・ヒメノモチ。五穀もちではアワ、キビ、ヒエ、アマランサスが混じる。 あずきもち、ごまもち、きなこもち一切れが100円、くるみもちが150円。小判形をした「銭もち」は全国発送している。「銭もち3種」は白小判形8個、ごま6個、黒豆6個で2000円、「五穀銭もち」は20個入りで2600円。 冷凍し保存して食べても、つきたてのおいしさは変わらない。 料理研究家の松田美智子さんが昨年12月に出版した「松田美智子のお取り寄せ食堂」(文芸春秋)で、「銭もち」がこう紹介されている。 「岩手県産の餅米(もちごめ)を臼と杵でついた本物のお餅ならではのもちもち感です」 「展勝地もち」は社長軽石昇さん(61)の幼少期の体験から発案された。正月や祝い事の時には必ず、家族でもちをついて祝った。つきたてのもちのおいしさとともに、わいわいと家中でもちをつく楽しさが忘れられなかった。 身体と食べ物は不可分という「身土不二(しんどふじ)」。その土地のものは土地の方法で調理する「土産土法」。これらの理念にもこだわった。 「日本では大昔から臼と杵でもちをついてきた。手間がかかっても臼と杵を使い、北上の材料で、つきたてを味わってもらおう」 北上地方では子どもの1歳の誕生日に大きなもちを背負わせて祝う風習が残っている。売り上げが伸び始めたのは、4、5年前に行商を始めてから。おいしさが口コミで広がり、主力商品にのし上がって年間約10トンをつくまで成長した。 会社創立時、レストハウスの運営を東京の観光関連会社に任せるという構想に、市内の若手経営者らから地元で運営しようという声が盛り上がり、軽石さんに白羽の矢が立った。 最初はよちよち歩きだった。地元産リンゴを産地直送で全国に販売する事業とともに、もちの販売事業が大きく育ち、経営が安定してきた。 桜の季節には約60万人が訪れる展勝地。レストハウスは、桜観賞、桜保護の拠点でもある。会社で出た利益を桜の保全事業に還元する。桜の守人でもある軽石さんの夢はもうすぐ実現しそうだ。
マイタウン岩手
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