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スーツ脱ぎ畑に集まれ  横浜に百姓塾

2009年11月10日

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苅部博之さん(左)とブロッコリーの育ち具合を確認する塾生たち=9月、横浜市保土ケ谷区

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ゴマの選別作業を教える苅部みつほさん(左から2人目)=10月25日、横浜市保土ケ谷区

 会社をやめて農業を始めたいが知識が乏しい。Iターンする勇気もほしい――。そんな脱サラを目指す人たちの学びの場が横浜市保土ケ谷区にある。その名も「百姓塾」。週末になると、スーツから作業着に着替えたサラリーマンたちが畑に集い、農業を学んでいる。

(古田真梨子)

 相鉄線西谷駅(保土ケ谷区)から車で約5分。住宅街の中を抜けたところに点在する計2・5ヘクタールの畑が「百姓塾」の教室だ。

 9月最後の日曜日、27日午前10時。畑の片隅で塾生3人がぎこちない手つきでクワを振り上げ、ダイコンの種をまいていた。

 「種をまく間隔が広すぎるよ。20センチくらいでいいんだ」。声をかけたのは百姓塾を主催する苅部博之さん(39)。4年前に父親を亡くし、畑に出るのは母親のみつほさん(68)と2人。「質を落としたくないのに、手が回らない」。誰かに手伝ってもらおうと考え、「いずれ農業をやりたいという人と一緒にやりたい」と思ったことが百姓塾を開くきっかけだった。

 真剣に農業を学びたい人のための「百姓塾」(参加は週1回以上)と、農業に興味があって手伝いをしてみたい人のための「農業塾」(同月2回程度)を用意。いずれも期間は1年間で、4月からホームページで募集を始めたところ、県内外の約15人から問い合わせがあり、それぞれの塾に2人ずつの塾生がいる。

 百姓塾に通う横浜市港北区の電機メーカーに勤務する男性(36)は「ずっと働いていける農業に職業としての伸びしろを感じる。いずれIターンしたい」と夢を語る。「知識がないまま、仕事をやめるのはリスクが大きい。どのようにすれば収入を得られるのかも知りたかった」と話す。

 塾では、日が暮れるまで苅部さんの農作業の手伝いをしながら、実際に野菜を育て、収穫する。農業塾に通う藤沢市の会社員女性(36)は「数週間ぶりに畑に出て、野菜の成長に驚くことも楽しみのひとつ」。10月には苅部さんとともに東京・日比谷公園であった農作物販売イベントに参加。「お客様の顔を見ることができて、より農業への意欲がわいた」という。

 苅部さんは「担い手不足に悩む農家と、いずれは農業を始めたい人双方の要求が一致している。これからも続けていきたい」と話している。

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