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ここから本文エリア 企画特集2
田中 耕一さん(48)2008年05月28日
ハードウエアの開発に重心 02年にノーベル化学賞を受賞した島津製作所(中京区)の田中耕一フェロー(48)が所長を務める「田中耕一記念質量分析研究所」は、設立5周年を迎えた。田中さんは7日に記者会見をして5年間の研究成果を報告。従来の数十倍の精度でたんぱく質を分析できる新型装置の開発状況などを説明するとともに、企業エンジニアとして研究に臨む思いや、今後の目標などを語った。 ――5年前と比べて研究の課題や方向性は変わりましたか。 私が発見した質量分析法で、今まで測定できなかったたんぱく質を丸のまま壊さずに測定できるようになったと言われているが、実際にできるのは全体の半分以下。それを半分以上に増やし、より微量まで測れるようにしたい。 溶液中の化学反応などを質量分析に応用する「ウエット系」の研究をとにかく前に進もうとやっているうちに、私なりに「質量分析とは何か」を解釈し、ハードウエアの開発が必要だと改めて気づかされた。今は質量分析機器の本格的な開発に重心が移ってきた。 ――ノーベル賞受賞当時、血液1滴で様々な病気をすぐに分析できる装置の開発を目標に挙げていました。 米国のがん研究機関との共同プロジェクトで(がんの有無を調べる)がんマーカーの評価をこれから始める。数種類の病気を血液1滴で調べられる基礎研究はできている。それを広げ、装置の値段をもっと下げる。あと5年ぐらいかかるんじゃないか。受賞当時は夢物語だったが、ターゲットは見えてきた。 ――これまでは研究成果の製品化が不十分だったという思いが強いようですね。 ノーベル賞受賞に関係する発見をして、製品化にも取り組んできたが、可能性をより深く理解して製品化につなげたのは米国の会社だった。日本人の若い、企業の人間がノーベル賞を受ける発見をできるわけがないと皆から言われたし、私も思っていた。問題点はいまだに解決されていない。自分自身で打破していかなくてはならない。 ――子どもたちにメッセージをお願いします。 自然界はまだわからないものばかり。それを見ると何か新しいものを解明しようと思うようになる。それに気づいてほしい。 たなか・こういち
マイタウン京都
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