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土壇場、猛攻の智弁2009年08月19日
第91回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高野連主催)9日目の18日、智弁和歌山は2回戦で札幌第一(南北海道)と対戦。岡田俊哉投手が今夏初めて失点し、リードされる苦しい展開だったが、控えの3年生が底力を発揮し、土壇場で勝利をもぎ取った。次は8強入りをかけて20日に都城商(宮崎)と対戦する。 ◎控え3年生の意地 ▽2回戦 ★夏イチバン星☆ 初回を難なく三者凡退に抑えた先発の岡田俊哉(3年)が2回、突如乱れた。死球のあと、送りバントの打球を二塁に送球したがフィルダースチョイスに。さらに味方の失策でピンチが広がり、自らの暴投で失点。和歌山大会から続いていた無失点は42回3分の2で途切れた。「調子は悪くなかったが、テンポが悪くなってしまった」と岡田。 2点を先行された直後の3回表、岩佐戸龍(2年)と西川遥輝(同)の連打で追いつく。だが、3、4回と失点が続き、打線も5、6回と三者凡退。なかなか流れを引き寄せられない。 7回表、1死から平野晃土(3年)、北畠良真(同)の連打で一、三塁のチャンス。ここで高嶋仁監督(63)が動いた。「3年生の意地に賭けよう」。まず代打を告げられたのは三宅亮伸(あきのぶ)(3年)。ずっと一塁コーチを務め、練習では打撃投手も買って出てチームを支えてきた三宅が初球をたたく。ゴロを二塁手がトンネルし、まず1点。続く代打は左向勇登(さこう・ゆうと)(同)。背番号14の主将は、高めのボール球を思いっきり引っぱたいた。「3年生の思いがヒットにしてくれた」と振り返った打球はセンター前にポトリと落ち、1点差に追い上げた。 そして9回表。先頭の北畠がレフト前安打で出塁し、門口建延(もんぐち・たけのぶ)(同)は「ここで決めないと負ける。絶対に決めてやる」ときっちり送りバントを決める。続く喜多健志郎(同)は、和歌山大会も含めてまだ1度しか打席に立っていなかったが、いつもベンチ裏でバットを振っていた。「おれも絶対続く」。3年間の思いをぶつけた打球は、ぐんぐん伸びて左中間を破り、土壇場で追い付いた。 勢いは止まらない。当たっている大畑勇(同)が左中間二塁打でつなぎ、四球をはさんで西川が2点二塁打。さらにだめ押し点をたたき出したのは、やはり途中出場の外浜雄司(同)。高々と舞い上がった打球はレフトの深い位置に達し、8点目となる犠牲フライとなった。 その裏は岡田が3人でピシャリ。 高嶋監督は甲子園通算最多勝利の歴代1位に並んだ。高嶋監督は「記録は私がどうこうできることではないから、選手に感謝したい。宿舎に帰ったら選手たちに『ありがとう』と言うつもり」と選手をたたえた。(山野拓郎) ■智弁和歌山・左向勇登主将 岡田は中盤から、低めに丁寧に投げてくれた。先制して守り勝つ理想が崩されても勝てたのが大きい。7回の適時打は試合に出ていない3年生全員の思いが、打たせてくれたと思う。 ■智弁和歌山・高嶋仁監督 序盤に失策をして浮足立ってしまった。岡田も球が高かった。9回は先頭打者が出れば何とかなると思っていた。低めのボール球に手を出して苦しんだが、途中出場の3年生がよく打ってくれた。 ■札幌第一・坂本優樹主将 あそこまでいったら勝ちたかった。あきらめずにつなごうとしたが、岡田君はいい投手だった。相手のミスで先取点がとれて気持ちが楽になったが、守りでは自分がミスをしてしまった。申し訳ない。 ■札幌第一・菊池雄人監督 選手たちはよくやってくれた。最後は伝統校の力を感じた。中盤以降にもう1点とればよかったが・・・。自分も含めて全体の力が不足していた。強いチームを作り、またこの場所に戻ってきたい。
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